オールド大倉物語

岡染付、上絵、蒔絵絵替りディナーセット

写真のディナーセットは特別お誂え品、つまりオーダーメードの食器揃いです。

コンポートやキャセロール、プラター類など数多くのサイドアイテムには岡染付の草花がたっぷりと描かれており、すでに大倉陶園らしい骨格が見えております。四角い菓子皿も同様な風景画が施されていますが、違和感がありません。耳付のケーキ大皿とティーセットや碗皿・デミタス・湯呑などには蒔絵の粋を凝らした草花が可憐に描かれております。さながら当時の絵付け技法の競演といった趣を呈しておりますが、全体を流れる意匠には不思議な調和があり、統一感もあります。料理ごとに器も大切にする日本人の感性の成せる技と言えます。

昭和10年、富士屋ホテルの作品や数多くの名家のディナーセットにも一脈通じるものを感じます。

元来、洋食器には季節感を感じさせる絵柄など、タブー視される面もありました。しかし、日本人と季節感は切っても切れないものがあります。季節感を超越した器を作りたいものです。

市販されている「フローラダニカ」や「ロスチャイルドバード」などかつてのオーダーメード作品が数多く手に入る今日、お誂え食器がいかに貴重な作品かを知ることができます。

岡染付、上絵、蒔絵絵替りディナーセット