オールド大倉物語

岡染付薔薇絵花瓶

岡染付薔薇絵花瓶岡染付薔薇絵花瓶

長い間、世界のロザリアンの夢は、『青いバラ』を創ることだったそうです。

2005年にバイオテクノロジーにより青いバラが開発されましたが、写真のバラの花瓶はまだ「青いバラを創ることは不可能」と考えられていた1934年の作品です。巧みな筆捌きと完成された構図、そして岡染付の特性を活かした奥深いグラデーションは、「ブルーローズの逸品」と言われています。岡染付の完成は、1928年と記録があり、以来今日まで大倉陶園の代表的技法として数々の名作を世に送り出してまいりました。

「岡染付」は、大倉陶園独自の技法で、染付(呉須)に対して名づけられました。

染付とは、素焼きされた生地に呉須(コバルト質)で絵付けを施し、その上に釉薬をかける高火度の還元焼成によって出来上がる技法で、明の時代初期に完成したといわれています。岡染付は、コバルト絵具を上絵と同じく釉をかけて本焼きされた生地面に絵付けを施し、再度高火度で本焼きすることにより、釉面に絵具を滲透させる技法です。絵具の拡散がもたらす独特のぼかしが深みのある絵を創り上げています。

単窯の時代に本焼窯を繰り返し焚き上げなければ完成しない絵柄とは、大変贅沢な事だったと思われます。