オールド大倉物語

No.02 白磁薄肉彫蓋付菓子鉢

白磁薄肉彫蓋付菓子鉢白磁薄肉彫蓋付菓子鉢

素地は研究の結果、高火度焼成の硬質磁器と決まりました。
これはヨーロッパ型の調合ですが、焼成には類を見ない1460度の高温で本焼きをします。基本的には現在も同じ調合のものが使われています。素地の純白さと硬さ、釉の透明さと光沢に特徴があります。

大正11年、世に出る最初の製品は、大倉孫兵衛翁一周忌の菓子鉢となりました。鳳凰を描く心に最高の美術陶磁器たらんとする矜持が窺われます。

実際には、菓子鉢2点と銘々皿1点が制作されました。もう1点の鉢は迦陵頻伽に法相華唐草文をレリーフとしたもの。銘々皿は花喰鳥と飛雲をレリーフしたもの。いずれも白磁薄肉彫の特徴を見事に具現化しています。その磁胎の輝きとレリーフの技術は、すでに完成の域に達していました。

原型は、彫刻家小田慈善、貴玉一技師が制作したと25年譜は記しています。